肌に潤いを作る食事は栄養の3本柱を中心に考える

肌がうるおう食生活

乾燥肌を早く治したいときは、まず何から対策しますか?化粧品でしょうか?洗顔でしょうか?
実は、乾燥肌の改善には食生活の見直しが一番重要なのです。

表皮の中では、皮脂膜、天然保湿因子、セラミドといった成分が肌の潤いを守っていますが、天然保湿因子、セラミドはそれぞれ体内のアミノ酸、必須脂肪酸などから作られています。

肌の潤い成分の原料の98%は食事から供給されますが、20歳をすぎるとセラミドの生成は減少されますので、食生活のみだれは、肌荒れの原因になるのです。

今回は年齢を重ねても、食事からうるおい成分を効率よく補う方法をご紹介します。

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肌をうるおす栄養の3本柱とは

食生活は、バランスよくとることが基本ですが、乾燥肌に特に必要な栄養素は、1.たんぱく質、2.必須脂肪酸、3.シンバイオティクスです。

たんぱく質は、皮膚のうるおい成分である「天然保湿因子」をつくる栄養素で、必須脂肪酸はうるおい成分の80%を占める「セラミド」を作るのに必要な栄養素です。

シンバイオティクスとは聞きなれない言葉ですが、乳酸菌であるプロバイオティクスと食物繊維やオリゴ糖であるプレバイオティクスを一緒に摂取することを意味します。

シンバイオティクスは、たんぱく質や必須脂肪酸を吸収しやすくするために重要な栄養素で、体本来の力を高める効果が期待されます

たんぱく質を効果的に吸収できる食材と組み合わせ

たんぱく質は、肌のうまれ変わりであるターンオーバーに欠かせない栄養素です。角質層にある天然保湿因子はもちろん、真皮の70%を占め肌の弾力を生み出すコラーゲンやエラスチンも、たんぱく質が原料です。

より良質なたんぱく質を摂るには、食品の「アミノ酸スコア」が重要です。アミノ酸スコアとは、9種類の必須アミノ酸が食品中にどれくらい含まれているかを数値化したものです。

つまり、アミノ酸スコアが100に近い食品を摂ることが、良質なたんぱく質を摂り、健康な肌に近づくことになるのです。

一般的には肉や魚、卵、大豆、乳製品などがアミノ酸スコアが高いので、麺類などを食べるときにプラスして食べることでアミノ酸のバランスをとることができます。

アミノ酸スコアの高い食品

アミノ酸スコアが100の食品は、積極的に摂り入れたいので、毎食1品は入れましょう。以下はアミノ酸スコア100の食品です。
・ヨーグルト
・卵
・鶏肉、豚肉、牛肉
・鮭、アジ、いわし、さんま
・豆腐、おから、豆乳
・ツナ
・牛乳
・かつおぶし、枝豆

野菜や穀類にもアミノ酸は含まれています。
食品名の隣に表示している数値は、食品ごとのアミノ酸スコアです
・ブロッコリー 85
・グリーンピース 84
・にら 83
・かぼちゃ 79
・じゃがいも 73
・さやいんげん 72
・とうもろこし69
・ほうれん草 64
・精白米 61
・そば 61
・トマト 51

・あさり 84
・えび 77
・いか71

・アーモンド47
・薄力粉42

アミノ酸スコアを足してメニューを考えると、栄養価の高い食事を摂ることができます。
・ごはん(61)+納豆(100)
・食パン(42)+スクランブルエッグ(100)
・パスタ(36)+ツナトマト(100)

白米に足りない必須アミノ酸「リジン」を納豆で補うことができますし、パスタには魚介類や肉類のソースをかけることでたんぱく質のバランスが良くなります。

必須脂肪酸はオメガ3を含む油を選ぶ

普段私たちが使っている油にはいろいろな種類があります。植物油など、常温で液体の油は不飽和脂肪酸といいますが、不飽和脂肪酸は、体内で作り出すことができる「非必須脂肪酸」と体内で作り出すことができない「必須脂肪酸」にわけられます。

この必須脂肪酸が不足すると、肌や髪がばさばさになり、ホルモンの分泌にも影響を及ぼします。

体内で大切な働きをする必須脂肪酸には、オメガ3系のα-リノレン酸とオメガ6系のリノール酸、オメガ9系のオレイン酸などの種類があります。

オメガ3の代表的な特徴は、炎症を抑え、血液をサラサラにしアレルギーを抑制します。

オメガ6は逆に炎症促進、アレルギーなどを悪化させる作用があります。また、血栓を促進する作用もあり、オメガ3とは逆の作用を及ぼします。

オメガ9は悪玉コレステロール値を下げ、動脈硬化を予防する効果があります。

オメガ6は一見悪い油のように思えますが、悪玉コレステロールを減らす役割もありますし、不足してしまうと乾燥肌が悪化したり、腎臓などに悪影響を及ぼしたりします。過剰摂取を控えることは重要ですが、体内で生産できない必須脂肪酸なので適度に摂ることがポイントです。

オメガ3とオメガ6は、1:4の割合で摂取するのが理想的といえますが、オメガ6はサラダ油やマヨネーズなどで十分摂取できるので、オメガ3を積極的に摂りましょう。

一番摂りたい「オメガ3」が含まれる油脂や食品

オメガ3は、以下の食品に含まれています

えごま油
亜麻仁油
くるみ、アーモンド
青魚(サバ、ブリ)

オメガ3は、熱に弱く酸化しやすいといった特徴があります。えごま油などで手軽に摂取できますが、サラダに直接かけて摂ると効果的です。

また、オメガ3を緑黄色野菜と一緒に摂ることで、リコピンなどの脂溶性の抗酸化成分やビタミンの吸収がアップしますが、えごま油や亜麻仁油で摂取するときはカロリーに気を付けましょう。

1日の摂取目安は、えごま油や亜麻仁油で大さじ1杯程度、くるみやアーモンドは1日2,3粒程度です。

シンバイオティクスで腸内環境を整え潤い肌へ

毎日のスムーズなお通じは肌トラブルの防止だけでなく、全身の老化防止にも役立ちます。どんなによい栄養をとっても、きちんと消化吸収されなければ意味がありません。

シンバイオティクスとは、乳酸菌や発酵食品とオリゴ糖や食物繊維などを一緒に摂って腸内環境を整えることですが、では腸内環境を整えるとは具体的には何を指すのでしょうか?

腸内には100種類以上の細菌が棲んでいますが、多種多様な菌が種類ごとにまとまりを作り生態系を作っています。腸内にびっしりと菌が生息している様子が、植物の花畑のようであることから「腸内フローラ」と呼ばれているのです。

細菌はおおまかに善玉菌・悪玉菌・日和見菌があり、それぞれバランスをとっていますが、どんな細菌が生息しているのか、など細菌の種類や数は人によって全く違います。

年齢や食生活によって、腸内菌は変化します。健康な人であれば、善玉菌が悪玉菌を抑えてバランスを維持していますが、悪玉菌が優勢になると、腸内腐敗(腸内異常発酵)がおこりアンモニアやフェノールなどの有害物質が増えます。

臭いおならや便が出ている状態が、腸内腐敗のサインです。これは夏場の台所で生ごみが腐敗すると、悪臭がするのと同じように、体内で消化不良の食物が腐敗し、悪臭を放つのです。

生ごみであれば捨てればよいですが、腸内では便として排出できないと、腐敗物質が腸から吸収されて肝臓や腎臓、心臓などに負担をかけることになります。その後、肌に吹き出物がでたり乾燥したりして、体内環境の悪化が表面化するのです。

よって、腸内環境を整える、というのは腸内の善玉菌を増やして、腸内腐敗をおこさないようにし、消化吸収をスムーズにする環境を作ることなのです。
では、腸内環境で善玉菌を優勢にするためには、具体的にどのようなものを食べればいいのでしょうか?

善玉菌そのものを食べるプロバイオティクス

善玉菌の働きは先に述べた働き以外にも、人体に有益な物質を作ったりすることがわかっています。

善玉菌が生成する有益物質
・ビタミンB群(肌を健康に保つ)
・酪酸
・乳酸
・酢酸
・プロビオン酸
酪酸、乳酸などの有機酸は腸内を弱酸性にたもち、悪玉菌が増えるのを防いでいます。

では、善玉菌自体が入っている食材ですが、具体的にはヨーグルトなどの乳酸菌や、納豆、チーズ、麹などの発酵食品があげられます。

通常の乳酸菌などは胃酸に弱く、胃の中で死滅することもありますが、近年では胃酸に強いタイプのヨーグルトも発売されています。

また、食後は胃酸が薄まっているので、ヨーグルトをデザートとして食べると乳酸菌の死滅を防ぐのに効果的です。

乳酸菌をはじめとする発酵食品は、たとえ死滅したとしても善玉菌のエサになったり、免疫細胞を活性化させたりすることがわかっています。

善玉菌は毎日補充するのが効果的なので、1日1食は取り入れましょう。

善玉菌のエサを食べるプレバイオティクス

善玉菌自体を取り入れたら、次は安定的に増やすことが大事です。善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を同時にとり、善玉菌を増やします。(難消化性オリゴ糖は、食物繊維の一種として考えられています)

オリゴ糖は自然の食品から摂るのが理想的ですし、一度に大量に摂るとお腹がゆるくなったりするので、注意が必要です。
オリゴ糖が多く含まれている食品

玉ねぎ、キャベツ、ジャガイモ、にんにく
とうもろこ、アスパラガス、ごぼう、バナナ
納豆、ハチミツ
次に食物繊維ですが、そもそも食物繊維は、人の消化酵素では消化することができずに残ることはご存知でしょうか?

食物繊維には水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維があります。不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ、超を刺激してぜんどう運動を盛んにして便通を促します。

水溶性食物繊維は、粘着性で胃腸内をゆっくりと移動し満腹感を与えます、糖質の吸収を緩やかにして血糖値の急激な上昇を抑えます。

腸内の乳酸菌を増やすのは水溶性食物繊維が優れていますが、不溶性食物繊維は食品に含まれている量が多く、摂取しやすい成分です。不溶性食物繊維は、主に干し野菜や干した果物に含まれていることが多いです。

食物繊維が多くふくまれる食品
数値は、100gあたりに含まれる食物繊維の量です。

白米 0.6g
ライ麦粉 12.9g

切り干し大根 20.7g
キャベツ 1.8g
セロリ 1.5g
モロヘイヤ 5.9g
グリーンピース 7.7g
パセリ 6.8g

いんげん豆 19.3g
あずき 17.8g
大豆 17.1g

乾燥わかめ 32.7g
焼き海苔 36g
ひじき 43.3g
こんぶ 27.1g

干ししいたけ 41g
きくらげ 57.4g

干しプルーン 7.2g
干し柿 14g
アボカド 5.3g
バナナ1.1g

日本人は食物繊維の摂取量が少ないので、一日に20g以上は摂りましょう。食物繊維は摂りすぎても害はありません。
食品は、上記からもわかるように一度乾燥させると、食物繊維の量が増えます。干した果物や、乾燥野菜を取り入れて手軽に摂りましょう。

上記の量は100g単位に含まれている食物繊維の量なので、実際に摂取する量とは違っています。注意しましょう。

効果的に栄養を吸収するためのアボカドファースト

栄養の3本柱とともに、肌の潤いを作る食事のとり方で注目されているのが「アボカドファースト」です。

食事の一番最初にアボカドを食べると、トマトやニンジンなどに含まれるカロテンの吸収率が高まり、肌にハリをもたらすビタミンAへの変換を助けます。

他にも、魚介類に含まれるオメガ3は、ビタミンCと一緒に摂ると吸収率が高まります。食事は単体で摂るよりも、吸収率がよい組み合わせで摂ると効果的です。

腸内環境を悪化させる食事と「まごわやさしい」

栄養バランスを整える食事を心がけていても、同時にスナック菓子や炭酸飲料、ファストフード、コンビニ弁当などの合成添加物が多用された加工食品を食べていると、腸内環境はよくなりません。

油分や糖分が多用されている食品を多くとると、悪玉菌が増殖して腸内腐敗が発生します。

最初から食生活を大幅に改善することがストレスになる人は、ファストフードなどの利用回数を少しずつ減らすなどして、徐々に健康的な食生活に移行していきましょう。

他にも、塩分の取りすぎ、暴飲暴食、お酒の飲みすぎなどに気をつけるとより効果的です。何事もほどほどにバランスよく、を心がけましょう。

また、「まごわやさしい」食品をできる部分で取り入れることも、手軽に食生活を改善する一歩になります。

「ま」・・・豆類
大豆や小豆などのことで、たんぱく質やマグネシウムを摂ることができます。

「ご」・・・ごま
ゴマだけでなく、アーモンドやクルミなどのナッツ類も含みます。不飽和脂肪酸やビタミンEを摂ることができます。

「わ」・・・わかめ
海藻類全般で、昆布やのりなど。ヨード類やカルシウム、食物繊維を摂ることができます。

「や」・・・野菜
葉物野菜だけでなく、根菜類、緑黄色野菜が栄養豊富。βカロチンやビタミンCを摂ることができます。

「さ」・・・魚
魚はたんぱく質、オメガ3、亜鉛をとることができるマルチ食品です。

「し」・・・しいたけ
しめじ、まいたけなどシイタケ類。多糖類や食物繊維を摂ることができます。

「い」・・・イモ類
じゃがいも、さつまいもなど。炭水化物だけでなく、食物繊維も摂ることができます。

体内から肌を潤すための3つの栄養の柱である「アミノ酸スコアが高いたんぱく質の摂取」「オメガ3の摂取」「乳酸菌や発酵食品の摂取」は、今日からすぐに取り入れることができます。

他にも、かみごたえがある食事で胃酸を出したり、鉄分や亜鉛をビタミンCと一緒に摂って吸収率を上げたりと、ちょっとした工夫で、栄養の吸収はアップすることができます。

体内の状態をよくすることで、肌のターンオーバーを整え、乾燥を繰り返さない肌を内側から作りましょう。